1984-07-26 第101回国会 参議院 文教委員会 第17号
長女は、学歴主義社会の中で人知れぬ苦労を積み重ねてきた父親の祈りとも言える遺言に従い、アルバイトなしで母の遺族年金からの送金だけで勉学に励んでいるのであります。五万円の送金で東京での学生生活の厳しさは想像に余りあります。 また、先日は、某国立大学生がオーディオが欲しくて万引きを引き起こしたとの報道がありましたが、家からの送金は三万円だとつけ加えられておりました。
長女は、学歴主義社会の中で人知れぬ苦労を積み重ねてきた父親の祈りとも言える遺言に従い、アルバイトなしで母の遺族年金からの送金だけで勉学に励んでいるのであります。五万円の送金で東京での学生生活の厳しさは想像に余りあります。 また、先日は、某国立大学生がオーディオが欲しくて万引きを引き起こしたとの報道がありましたが、家からの送金は三万円だとつけ加えられておりました。
この問題の背景にはわが国の学歴主義社会があり、それによる受験地獄とも言われる過酷な受験競争があります。この弊害を除くためには、高校の全入、四十人学級制度の確立等がまず必要でありますが、政府は金減らし、人減らし政策の中にこれを抑え込もうとしているのであります。また反動的教科書論議を先行させ、教科書の検定制度を改悪し、画一的な国家主義的教育を復活させようとしています。
そうしてこれは、これも繰り返し言われておりますように、学歴主義社会と言われる社会全体の問題であるわけでございますが、同時に大学自体についても制度的に変えていかなければならない問題が幾つかあるだろうというふうに考えます。
まず第一に、学歴主義社会というものがわが国にあるが、それについて、私が申しているようないわゆる四頭立ての馬車というようなことでは間に合わない状況ではないかということでございますが、私も決してそれが直ちにすべての問題を解決すると考えているわけでもなく、また、さらにこれを強化していかなければならないと理解しているわけでございます。
次に、形式的な学歴主義社会の風潮を解消するという問題です。 これはまず、大きく言って三つあると思うわけで、政府なり企業と学閥との関係です。これは、私は政府がまず率先をして学閥解消の指導をするべきではないのか。と申しますのは、東大イコール政府官僚です。現在のあれを調べてみましても、たとえば、文部省の局長以上というのは東京大学出身が八六%です。